あるところに、ちょっとイケメンなカマキリがいました。

 

 

それがカマキリのドンファンと言われたオスのカマキリですが、名前がないのもかわいそうなので、カマちゃんとしておきます。

 

 

カマちゃんは、子供のころからお花がすきで、なかでもバラの花が大好きでした。

 

 

バラの花はもちろん、バラの花の香りや棘さえも美しく、枝は頑丈で、獲物の昆虫をとらえる時もよい足場になりました。

 

 

白くて高いバラ垣のてっぺんの登ると、抜けるような青空とそよ風が心地よく、カマちゃんは生まれてよかった生きててよかったと心から思うのでした。

 

 

またこの場所は、小さなハチとかハエとかトンボやチョウが集まってきて、カマちゃんが食べ物に困ることはありませんでした。

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夏が終わり、カマちゃんも何回かの脱皮が終わり立派な大人になりました。

 

 

ふと見るとバラの茎で何か大きなものが動いているので、獲物にしてはちょっと多きすぎるなと思っていると、「カマちゃん、こんにちは。」と声をかけてくるではありませんか。

 

 

それは、従妹のカマ子でした。

 

 

カマ子は、小さいころからは想像できないぐらい、体もカマちゃんより大きな立派なメスになっていました。

 

 

カマちゃんは、カマ子の方が体が大きいので用心しながら、後ろの方から寄り添う感じで近づきました。

 

 

幼なじみといっても、条件反射的に襲われることがあることを、カマちゃんはわかっていました。

 

 

それにしても、子供だとばかり思っていたカマ子にカマちゃんは、これまで感じたことがない惹きつけられるものを感じました。

 

 

それはバラの花に感じたものと似てはいますが、より強烈なものでした。

 

 

そしてカマちゃんは自分でも驚いたのですが、挨拶もそこそこに、カマ子に抱きついていました。

 

 

カマ子は初めは嫌がって抵抗しましたが、すぐに気持ちよくなったのか抵抗しなくなりました。

 

 

カマちゃんはこれまで経験したことがない、気持ちよさに我を忘れそうになりました。

 

 

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ただカマちゃんは、無意識にですが、カマ子の鎌と口には注意していました。

 

 

カマ子が興奮すればするほど、危険を感じたのです。

 

 

交尾が終わって、カマちゃんが飛んでカマ子の体から離れるのと、カマ子の鎌がカマちゃんの顔面すれすれをかすったのが同時でした。

 

 

このカマ子との初体験で、カマちゃんは二つのことを学びました。

 

 

ひとつは、メスが交尾の前後で自分を捕食しようとするということ、それから交尾がすごく気持ちよいということです。

 

 

交尾は自分だけが気持ちよいばかりでなく、むしろ相手のメスのほうがより気持ちよさそうに思えました。

 

 

それからカマちゃんのメス遍歴が始まり、ドンファンと言われるようになったのですが、カマちゃんは自分が精力絶倫であることにも気づきました。

 

 

そしてそれは、カマちゃんが小さい時からバラの花に振りかけられる栄養剤のようなものを舐めていたからではないかと考えるようになりました。

 

 

メスからすれば、交尾の交換条件として捕食されなければずるいと思うので、ドンファンと言われたのです。

 

 

カマちゃんは、注意深くメスの攻撃を避けていたのですが、バッタを動けなくして初めにメスにそれを食べさせて、その隙にメスを襲うという知的な攻略をとっていました。

 

 

メスの食欲も性欲もともに叶えてあげたので、メスはずるいと思いながらも、カマちゃんを許していたのです。

 

 

 

冬が近づき、動物も昆虫も植物も、すべてが寒さへの備えに集中するようになりました。

 

 

さすがのカマちゃんも、この頃、体が動きが重く感じるようになりました。

 

 

カマちゃんが相手にするメスも卵を産んで死んだりしているし、自分もこれだけ交尾していてメスに食べられないでいるのが有難いような無責任のような、自分は何のために生まれてきたかもわからなくなってきてしまいました。

 

 

漠然と、そろそろ自分も死ぬのかなと弱りつつある体を実感するようになったのです。

 

 

ある日、れいによって、メスを見つけて近づいていきました。

 

 

普段ならメスの気をそらす獲物をちらつかせたりするのですが、今日はなんだか面倒な気持ちがあって、あまり用心もせずに近づきました。

 

 

すると、そのメスは、あのカマ子でした。

 

 

カマ子はどこか体の具合が悪いらしく、少し弱っていました。

 

 

よくみると片方のカマが途中でちぎれていて、足も一本ありませんでした。

 

 

カマ子はカマちゃんを懐かしそうに見ました。

 

 

カマ子は、負傷していましたが、その傷がかえって彼女を妖艶にさせ、これまでにも増して誘うような抵抗し難い妖艶な魅力を放っていました。

 

 

この時、初めてカマちゃんに、カマ子に食べられてもいいという気持ちが生まれました。

 

 

これまでドンファンとか言われてきたけど、それは悪く言えば、何事にも徹底できない中途半端ってことじゃないかと気づきました。

 

 

結局、自分の分身である強い子孫を残すには、自分が食べられて卵の強い養分になることが一番だと悟ったのです。

 

 

そして、カマちゃんとカマ子は互いにこれまで味わったことのない強い快感と精神的な充溢感にみたされた交尾をしました。

 

 

そしてカマちゃんは交尾の最中に、カマ子に頭から食べられるのを感じました。

 

 

不思議なことに、全く痛みはなく、ただ静かな満たされた感覚が強い快感を伴ってやってきました。

 

 

 

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